SPEED FORM
SF工法
スピード・フォーム工法 / SPEED FORM・永久埋設型枠
コンクリート擁壁等の施工時にひび割れ抑制のため10〜20m間隔で設置される目地材を固定する「木製の止型枠」の代替として、打設コンクリートと同等以上の性能・機能を持つ「スレートボード」と「縦バタ用鋼材」で永久埋設型枠を施工する工法です(特許 No.5110479)。従来は止型枠で区切られた1スパンごとの施工だったコンクリート打設を、複数スパン同時に施工できるため、コンクリート構造物の工期を大幅に短縮できます。国土交通省・林野庁・都道府県の擁壁・谷止工等に3,700件以上の採用実績。開発元:有限会社 創友(高知市)。
01特徴
工程短縮コンクリート打設で複数のスパンを同時に施工できる。型枠を取り外す手間が省け、コンクリートの脱型強度に関係なく次の工程に取りかかれる。
品質向上型枠を取り外さないため養生が十分に確保でき、打設コンクリート表面の温度低下と乾燥を防ぎ品質の良いコンクリートに仕上がる。コンクリートとスレートボードが一体となり曲げ強度が大幅に増加。
経済性ポンプ車・レッカー車等重機類の利用回数が減少しリース料・燃料代等を削減。複数スパン同時施工でコンクリートロス・人件費も削減。
環境に配慮ポンプ車・レッカー車等の利用回数減少によりCO2削減にも貢献。型枠廃材の減少につながる。
施工性が容易スレートボードは軽量で施工組み立てが容易。簡単にカットできるため、堰堤の鉛直打継目や張コン擁壁のような複雑な形状でも容易に対応。
02施工条件(コンクリートの打設方法別)
コンクリートの打設方法別
| 打設方法 | 縦バタ用鋼材 | 鋼材間隔 | 固定ネジ本数 | 1回の最大投入打設高 | リフトの最大打設高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 両側から交互に打設(挟み打ち) | L25×25×3(電気亜鉛メッキ) | 500mm以下(張出し250mm以下) | ボード1枚当たり鋼材1本に2本以上 | 500mm | 制限なし |
| 片側のみから打設 | L25×25×3(電気亜鉛メッキ) | 400mm以下(張出し100mm以下) | ボード1枚当たり鋼材1本に2本以上 | 500mm | 1100mm |
※1リフトの最大打設高を超える場合は、反対側からサポート等で補強した施工とする。
03適用場所
- 利用できる工事(全てのコンクリート構造物):道路・林道・農道工事、砂防等・災害復旧工事、急傾斜地崩壊対策工、河川の護岸・堰堤工事、都市土木工事、水路工事等。
- 利用効果が高い構造物:治山堰堤、長い区間同時に型枠組立できる擁壁、路側擁壁、山留・張コンクリート擁壁、急傾斜地崩壊対策工のもたれ式擁壁・土留工、砂防堰堤、化粧型枠を伴う擁壁等。
04工程短縮の実績(木製の止め型枠との工程比較・実工事)

SF工法の施工経過図(谷止工 H=9.6m・L=25.0m の実例)。従来工法は打設回数11回、SF工法は6回でスレートボード(目地材)を残置しながら積み上げ、打設回数を約半減できる(工程短縮の実績表の谷止工行に対応)。
木製の止め型枠との工程比較・実工事
| 構造物 | 規模 | 従来工法 | SF工法 | 短縮日数 |
|---|---|---|---|---|
| 重力式(林道)擁壁 | H=8m・L=37.6m(高知県の林道工事) | 51日 | 26日 | 25日(49%) |
| もたれ式擁壁 | L=38m・H=2.5〜7.0m(高知県の急傾斜地崩壊対策工事) | 45日 | 31日 | 14日(31%) |
| 谷止工 | H=9.6m・L=25.0m(近畿某県の治山工事・打設回数11回→6回) | 43日 | 31日 | 12日(28%) |
現場からの声(再利用率が高い):県道路改良工事(張コンクリートH5〜40m)=山留擁壁完了までに実際日数9日間短縮・打設回数半減(12回→6回)。県林道工事(路側擁壁2箇所)=打設回数29回→17回・工期10日短縮・ポンプ車使用減で約1,000kgのCO2削減。県治山工事(H6m程度の谷止工2基)=打設回数2回・養生期間9日間短縮で9日間の人件費(平均4人)を削減。
05使用材料の品質・規格
| 材料 | 細別・仕様 | 規格・基準値 |
|---|---|---|
| スレートボード | 1000×390×10 | 圧縮強度30N/mm²以上・曲げ強度15N/mm²以上 |
| 縦バタ用鋼材 | L型アングル L25×25×3(電気亜鉛メッキ)・長さは最下段1.25m、2段目以降1.00mが標準 | 両端の50mm位置から100mm間隔にネジ固定用開口(φ8mm) |
| 専用固定ネジ | ステンレス製 φ6 L=25 | コンクリートへの錆の影響を考慮しステンレス製 |
| 目地材・スレートボードの固定材 | プラスチック(PP)製・5本/m²程度 | 錆の付着による品質低下・目地部の伸縮阻害を防止 |
06性能試験(高知工業高等専門学校の実験データ)
- 曲げ強度試験:100×100×400mmの角柱供試体の片面に10mmのスレートボードを付着させ、JIS A 1106(コンクリートの曲げ強度試験方法)を実施。試験後もスレートボードはコンクリートから剥離せず、曲げ強度はスレートボード無しと比較して大幅に増加。
- 凍結融解試験:試験完了後に非破壊圧縮試験を実施。スレートボードに覆われたコンクリート面は反発度法で25・23N/mm²(コンクリート単体は13N/mm²)。材齢28日の圧縮強度(26N/mm²)と比較し極端な強度低下なし。



07設置基準(スレートボード)
- 完成時の出来ばえ等から、型枠からスレートボードを50mm程度引いた位置に設置(埋設され見えなくなる場合は間隔を開ける必要なし)。
- 割付は躯体幅が390mm以内の場合を除き横向きに設置。
- 横方向1枚の長さは原則200mm以上取り、390mm以上取れない場合は縦(斜め可)向きに設置。
08設置基準(縦バタ用鋼材・両側から交互に打設=挟み打ちの場合)
- 鋼材の間隔は500mm以下とし、スレートボード端部から250mm以内に設置。
- ボード1枚当たり鋼材2本を標準とし、両端の寸法は中央の間隔の1/2以下。1本しか設置できない場合はボード同士を鉄板等でつなぎ合わせる。
- 鋼材は最下段の地面に接する位置で70mm以上、天端及び型枠と接する位置で40mm以上の鉄筋かぶりを確保(塩害地域は基準書を参考に決定)。
- 固定ボルト位置はボード1枚×鋼材1本当たり2箇所を標準。ボードと鋼材を同一方向に設置する場合は3箇所以上とし、中央ボルト間隔は500mm以内。
09設置基準(縦バタ用鋼材・片側のみから打設の場合)
- 標準設置箇所では鋼材3本を標準とし、ボード端部から100mmに設置、間隔は400mm。
- ボード幅600mm以下の場合は鋼材2本とし、両端の寸法は中央の間隔の1/4以下。
- 勾配部で鋼材間隔が漸減する箇所では端部から50mmに設置し間隔は最大450mm。両端の鋼材間が400mm以下になる位置で2本に減らす。
- 鉄筋かぶり・固定ボルトは挟み打ちと同様(同一方向設置時の中央ボルト間隔は400mm以内)。
10施工手順
- 準備:表・裏型枠を仮固定後、スレートボードを寸法に合わせて切断(完全固定後は補強鉄筋等が設置の障害になる場合あり)。
- 1段目の組立:型枠の目地材設置位置(スレートボード設置側)に面木を取り付ける。
- 所定の寸法に切断したスレートボードを型枠から基準に沿って離し、目地材の代わりに設置した横方向の桟木に仮固定。
- 1.25mの縦バタ用鋼材を型枠から所定の距離を離した位置に立て、下端から50mmと350mmの穴位置に合わせてスレートボードにボルト固定用の削孔(φ7〜7.5mm)をし、専用ボルトで固定。
- 縦バタ用鋼材の後方地面にD13〜16程度のアンカー筋等を打ち込み、鋼材の所定位置から斜め下方45度程度でD10〜13の引張り筋を当て、両端を溶接で固定(下端から250mmと750mmの位置・それ以降は500mm間隔)。
- 2段目及び3段目のスレートボードを縦バタ用鋼材に固定。
- スレートボードに目地材を張り付け、面木を取り付けて1段目が完了(一段目は平地で組み立てた後、設置位置に搬入し取り付けることも可能な場合あり)。
- 2段目以降の組立(コンクリート打設後):型枠仮固定後、面木を取り付け、1段目の縦バタ用鋼材のボルト穴(1箇所)に4段目のスレートボードをボルト固定。
- 1段目縦バタ用鋼材の上に2段目を継ぎ足し、スレートボードにボルト固定した後、継ぎ手を溶接固定。
- 縦バタ用鋼材の位置から、打ち込んだアンカー筋へ斜め下方45度程度でD10〜13の引張り筋を当て、両端を溶接固定。
- スレートボードに目地材を取り付け、面木を取り付けて設置完了(詳細はSF工法取り扱い説明書(案)あり・要問い合わせ)。












11打設順序
- 両側から交互に打設(挟み打ち):引張鉄筋側から先に打設し、次に目地を挟んで反対側を打設(①→②→③→④)。1回の生コン投入打設高さは50cm以内。1リフトの打設高さは制限なし。
- 片側のみから打設:引張鉄筋側から先に打設し、1リフト分を打設(①→②)。1リフトの打設高さは110cm以内。

12設置歩掛(両側からコンクリート打設の場合)100m²当たり・※( )内は片側のみから打設する場合の歩掛
両側からコンクリート打設の場合(100m²当たり)※( )内は片側のみから打設する場合の歩掛
| 名称 | 単位 | 規格 | 数量 | 摘要 |
|---|---|---|---|---|
| スレートボード | 枚 | 1000×390×10 | 256 | 1000/390=2.56 |
| 縦バタ用鋼材 | 本 | L-25×25×3 L=1000 | 200(300) | 2.0本/㎡(3.0本/㎡) |
| ボルト・ナット | 本 | ステンレスφ6 L=25 | 1,024(1,536) | 4本/枚(6本/枚) |
| 目地材の固定材 | 本 | PP製 | 500 | 5本/m² |
| 世話役 | 人 | 小型構造物 | 2.5 | — |
| 型枠工 | 人 | — | 9.5 | — |
| 普通作業員 | 人 | — | 7.8 | — |
| 諸経費率 | 式 | — | 1 | 5% |
- 諸経費は組立支持材、電気ドリル・コンクリートカッター損料、溶接機材、電力に関する費用で、労務費の合計金額に上表の率を乗じた金額を上限として計上。
- 10m×10mの定型で計上しており、ロス率は見込んでいない。
13施工について
SF工法は開発元(有限会社 創友)の工法で、当社は資材の供給・お取扱いを承ります。施工は行っておりません。